ビッグス「クソッ、このままじゃ……!」
戦艦からの激しい砲撃を受ける、エンタープライズ。
シドさんの操作で上手くかわしているものの、いつまでもつか……
イゼル「かつて星の意志から授かった、光のクリスタル……
……今こそ使う時か。
これまで、自分の主我のために、多くの犠牲を出してきた。
結局私は、凍えた身体を温めるための、仲間が欲しかったのだ……
そのために、大義を創った。
許して、シヴァ。
……そして、フレースヴェルグ。
それでも私は、どうしても見てみたい……少女が雪原のただ中で、凍えずとも済む時代をッ!」
アルフィノ「あれは イゼル?
何をするつもりだ!!」
イゼル「聖女シヴァ――
いえ 願いによって造られた 私自身の神よ!
今こそ我が身に降りて
真の融和のために 最期の静寂を!」
光のクリスタルの力を使い果たした……!?
そんな……
アルフィノ「イゼル……!!」
力を使い果たしたイゼルさんは、眼下に広がる雲海の中へと消えていきます。
彼女もまた、間違いなく、ハイデリンに導かれた光の戦士だったのね……」
エスティニアン「……さらばだ、「氷の巫女」よ。」
アルフィノ「イゼル……
これから、本当の仲間になれればと……」
ヤ・シュトラ「因果なものね……
まるで、「超える力」を持ったばかりに、運命に翻弄されているかのよう。」
エスティニアン「氷女……いけ好かない奴だと思っていたが、最期の覚悟は見事だった……」
ビッグス「帝国のアグリウス級を相手に、たったひとりで立ち向かうなんて……」
ウェッジ「チビってないッス。
ぜったいチビってないッス!」
シド「アグリウス級に、後ろに張り付かれたときは、どうなるかと思ったが……
ともかく、無事に「魔大陸」に立つことができたわけだ。
犠牲になってくれた「氷の巫女」のためにも、教皇とアシエンの野望を阻止せんとな。」
アルフィノ「イゼル……
ともに旅する中で、彼女の純粋さに、私は共感していたんだ。
いつか、「暁」の一員に……そう願ってさえいたのに……」
イゼルさんまで……
ヤ・シュトラ「……アルフィノ様。
でも、彼女はどうやって、私たちの行動を知ったのかしら。」
エスティニアン「聖竜「フレースヴェルグ」であれば、俺が持つ「竜の眼」の力を感じ取れたとて、不思議ではない。
おそらく、聖竜が俺たちの動きに気付き、氷女……イゼルに伝え、導いたのだろうな……
聖竜と奴は、最期に和解し、協力できたってわけだ……」
シド「……奴さんは、お前さんたちを信じたからこそ、命を賭してまで、道を切り拓いてくれた……そうだろ?
だったら、気持ちを切り替えて、己の使命を果たすんだ。
……奥に、ドーム状の施設が見える。
まずは、そこまで行こう。」
アルフィノ「確かにシドの言うとおりだ……
悲しくとも、今はただ進むのみ……か。」
ヤ・シュトラ「私たちには、果たすべき目的があるわ。
もう一度、気を引き締めていきましょう。」
エスティニアン「禍々しい気配を感じるぜ……」
魔大陸になんとか着いた……
トールダンはどこに……?
ビッグス「こいつは驚いたな。
まだ設備が生きているぞ……」
ウェッジ「すごいところッス……」
古代の情報端末……かな?
活動を停止しているらしく、反応がないね……
シド「見たところ周囲に可動している防衛兵器もいないようだし、ひとまず、ここら一帯は安全と考えていいだろう。
よし、作戦会議と行こうじゃないか。
まずは、ここをベースキャンプとして、教皇ご一行様の行方を捜すのがいいと思うんだが、どうだ?
闇雲に歩いても、効率的じゃないだろう?」
アルフィノ「確かに、この広い「魔大陸」を、あてどもなく探し回るのは、いかにも具合が悪い……
だが、どうやって教皇たちを探そうというんだ?」
シド「おそらく、ここは古代の飛空艇発着場だ。
これだけの規模の施設となれば、魔大陸の中枢施設と繋がる、情報端末があるはずだ……そいつを探す。
みんな、手分けして辺りを探し、人が操作できそうな装置がないか見て回ってくれ。」
各々、手分けしてそれらしきものが無いか調査を始めます。
ヤ・シュトラ「ダメね……この辺りには、何もないみたい。」
エスティニアン「不気味な気配を感じる……何者だ……?」
ビッグス「こんな時じゃなけりゃ、喜んで研究のために、調べ回るんだがなぁ……」
アルフィノ「なんて巨大なんだ……
聖コイナク財団のレポートにあった「ラグナロク級拘束艦」すら、着艦できそうな規模だぞ……」
使えそうな物を探しながら、辺りの確認をするアルフィノ君。
エスティニアン「悪いが、俺は機械には疎いんでな……
それよりも、気になるのは竜の気配を感じることだ。
この「魔大陸」に、ドラゴン族がいるとでもいうのか?」
ビッグス「ガレマール帝国の魔導技術の中には、古代アラグ文明の技術を、再現したものも少なくないんだ。
端末さえ見つかれば、どうにか動かせると思うんだが……」
なかなか見つからないね……
シド「そうか、何も見つからなかったか。
こっちは一応、見つけたものの……どうにも起動しなくてな。
機工師としての俺の勘も、いよいよ鈍ってきたか?
……ところで、ウェッジの姿を見なかったか?
ついさっきまで、俺の側にいたと思ったんだが……
すまない、楓。
ウェッジの奴、施設の外まで行ったのかもしれない。
周辺を探してきてくれないか?」
それは危ないね!
ちょっと見てくる!!
みんなが居るところから、少し外れたところに、ウェッジ君は居ました。
ウェッジ「あいたたたたッス……」